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電話占いプリンセス

日時: 2013/02/06(Wed) 22:00
名前: 匿名

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Re: 電話占いプリンセス (No.1)

日時: 2014/12/22(Mon) 19:22
名前: 匿名

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「私の過去の苦しみと過ぎ去った若さが…」
二番目の歌はレールモントフの詩に基づいている。ハイ・カルチャーから人々の口承文化の一部へと降りてきたジャンル、都会の中流家庭のフォークロアとしてのロマンス。そしてmeshchanskiiに変わり、それは新しい文化が常にそれに打ち勝とうとしてきたところのプチ・ブルジョワジーのアーティファクトである。最終的にその曲はカバーされ、今や完全に時代遅れになって、自意識過剰でアーティスティックな文章の折衷的な質感をつくりだしている
トルスタヤの、異化の技法を用いたアイロニックな語りと、シメオーノフ(ロマンスに恋する男)の視点を含む間接話法のディスコースは区別するのが時として難しい。この物語は物寂しげな、人間存在の「絶望と俗悪さ」に関する(蓄音機のヴェーラ・ワシーリーエヴナの、生命よりも力強くて大きな声を伴った)瞑想である。「オッケルヴィル川」の最後の段落は、古いロマンス(恋歌)から数行をひき、使い回し、川、生命、愛、そして秋のヒナギクのようにしなびゆく美しい物語についてのクリシェを詩的に書き換えている。
トルスタヤの「ソーニャ」は、それとはまた別の「ロマンスと悪趣味」に関する瞑想である。最初の段落を精読しよう。
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Re: 電話占いプリンセス (No.2)

日時: 2014/12/22(Mon) 19:23
名前: 匿名

(中略)

物語の最初の一行はクリシェであり、生と死に関するありふれた状況である。「人が生きていた。それからその人は死んだ。」この語りは、共同住宅の賢い女性である語り手の声かもしれない。最初の段落では、語り手は単なる描写をしているだけでなく、ストーリーとキャラクターを忘却から浮き上がらせる、という困難な仕事を成し遂げている。最初のクリシェは事実、これから始まるのが何についての物語であるかを明示している。死と、それから創作によるよみがえりである。それは詩的にいうところの「祝祭的にドレス・アップされた不滅性」である。この、姿形をはく奪された声や、盗み聞きされた会話の跡は、いくつかの記憶の映像を呼び起こす。「まったく突然に、人生に現れた明るい写真のように、晴れがましい部屋が現れる」のである。この部屋は、家庭用ホームビデオのワンシーンであるかのように現れ、キャラクターたちは光の影絵のように現れる。彼らは儚くて半透明で、「かすみのよう」である。この物語の空間は、三次元の空間におけるリアルな会話としてではなく、むしろ、ほとんど消え入りそうな淡い記憶として表現される。
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Re: 電話占いプリンセス (No.3)

日時: 2014/12/22(Mon) 19:23
名前: 匿名

しかし、この儚いものとして表現されているものがもたらすのは、時代遅れの「小さな存在」の絵姿であり、趣味の悪い物体のある、個人的で、平凡な空間である。小さなガラスの花瓶や、くるくるしたピンクのヒヤシンスのほほえみは、私たちに、「ポーシュロスチ」の邪悪な花を思い起こさせる。この「ポーシュロスチ」をかぎかっこつきにするべきかどうかは難しいところである。(ピンク色は、トルスタヤの作品の中では頻出する。たとえば「かわいいシューラ」の冒頭にもピンク色が出てくる)小さな花瓶の中の、巻き毛のヒヤシンスのほほえみは、記憶のメイントリガーとしての役割を果たしている。これは記憶すべき、生活臭の漂う物体であり、立ち聞きされた会話の中の、日々のありふれたクリシェがこの物語を可能にする。(possible)
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Re: 電話占いプリンセス (No.4)

日時: 2014/12/22(Mon) 19:23
名前: 匿名

ソーニャは、物語の女性ライターが、古い写真のぼんやりした輪郭から復元しようとした人物であるが、おそろしく見栄えが悪い。トルスタヤの物語世界における他の姉妹たちと同じように。―シューラ、ジェーニャ、そして他の人たちもだが、世紀をまたいで、へんぴなレニングラードの共同住宅の、小さな部屋に生息して、生き延びている年取った女性たちである。ソーニャは祝福された愚者の一人で、だれもが魅力がなく、おろかで、悪趣味の罪を背負っていると考えるような人物である。2人の主な女性登場人物は、その特徴を表す言葉を伴って描写されている。アーダ・アドルフォヴナ(ADが2回頭韻を踏んでいるが、ロシア語で「地獄」を意味する語である)は「ヘビのような優雅さ」を持っていると述べられている。一方でソーニャはとても「見苦しい」恰好をしている。
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Re: 電話占いプリンセス (No.5)

日時: 2014/12/22(Mon) 19:23
名前: 匿名

ソーニャの服の、とある特徴はストーリーの中でとても重要になる。彼女が決してはずそうとしなかった、ハトの形をしたブローチである。この物語では、鳩のブローチはソーニャのセンスの悪さの象徴として嘲笑される。ソーニャはパワフルなアーダ・アドルフォヴナがオーケストレーションするパーティ・ジョークの犠牲者へとなり下がる。彼女はプラトニックの情熱的な恋人、ニコライをソーニャのために発明した人物だ。ニコライとの恋に落ちた、きのどくなソーニャのための、俗悪なロマンス小説のクリシェは、アーダの協力な「女性の散文」の産物である。最終的には、アーダはソーニャの想像上のロマンチックな恋人を殺そうとしている。ソーニャはエナメルの鳩を、手紙の一つに、同封する。彼女にもっとも近しい、聖なる物体である。このしぐさは、プラトニックなロマンスをほんのわずか延命させる。最終的には、語り手は、断片的な物語と、古い焼け焦げた写真からソーニャの物語を再構築しようという望みをいだいてアーダにソーニャの手紙を見せてくれるように頼む。相当な年月が経過している。かつて戦争と虐殺があった。
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Re: 電話占いプリンセス (No.6)

日時: 2014/12/22(Mon) 19:24
名前: 匿名

ソーニャと彼女の神話的な愛は自然死や、そうでない死によって死に絶えた。そしてソーニャの手紙はレニングラード包囲のとき、本の間で焼け焦げたのかもしれない。結局のところ、生き延びた唯一のものは、そして生き延びたと信じることのできる唯一のものは、エナメルの鳩。ストーリーの最後の行は「鳩は燃えない。そうでしょう。」と、口語的で効果的なロシア語の助詞BEДЬを使って結ばれている。ブルガーコフ「巨匠とマルガリータ」の「現行は燃えない」という言葉とも関係がある。この言葉は、芸術はすべての迫害を生き延びるという神話を示している。トルスタヤの物語では、しかしながら、燃えないものは、芸術作品ではなく、ダサいエナメルの鳩なのである。エナメルの鳩の冒険は、ポーシュロスチの冒険と並行している。そして、語り手の、鳩に対する考え方は複雑な転換を示す。この鳩がepistolaryなロマンスをもっと「肉体的」なものにしただけではなく、永遠の詩から恋人たちを救ったのである。
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